注文住宅、完成までの道のりは?

いざ家を建てようと思っても、一体何からはじめたら良いのか、どんなことをしなければならないのか、なかなか想像がつかないものです。

家づくりを始める前に、あらかじめ全体の流れを知っていれば、予想外の事態に慌てる心配もなく、スムーズに進めることができるようになります。無駄な時間や手間を減らすことができれば、時間短縮にもなります。

家づくりにかける時間が短ければ、それだけ早く新しい生活に移れるうえに、家賃の支払い回数を減らすこともできます。また、住宅ローンの返済を早く始めることができれば、それだけ完済もはやくなります。

計画を建てる上でも全体の流れを知ることは重要です。
この日までには入居したいという希望がある場合は、どんな手順を踏むかに加えて、各工程にどれぐらいの時間がかかるのかを知る必要があります。
何にどの程度時間がかかるのかを把握することで、目標日から逆算して計画を立てることができます。

今回が、注文住宅を例に、予算の作成から入居までスムーズに進めるための手順を紹介します。多少の違いはありますが、規格住宅の場合もほぼ同様の流れとなります。

●全体の流れ
住宅や土地の購入には色々な手順・方法があり、これが絶対に正解、これが一番確実に早いというものはありません。それぞれの事情により最も良い選択肢は異なります。
今回紹介するのは、オーソドックスで該当者が多く、一番スムーズに進めやすいだろうと考えられる流れです。

土地購入の必用がある注文住宅購入の流れは以下のようになります。

1.予算の決定
2.土地の仮押さえ
3.依頼先決定・建物プラン作成
4.住宅ローン事前審査
5.建物プラン最終決定
6.契約手続き
7.住宅ローン本審査
8.土地所有権移転手続き
9.建築工事
10.引き渡し・入居

●予算の決定
どこの土地を購入するにしても、どんな家を建てるにしても、どの程度お金が使えるか分からなければ考えようがありません。
まずは、住宅購入にどの程度使うことができるのか予算を決定することが重要です。

予算を考える際は、全体でいくらという形ではなく、月の返済額を基準に考えるのがおすすめです。毎月の返済額がどの程度までであれば滞りなく返済が続けられるかという観点が大切です。
住宅ローンの返済は何十年と毎月続けていくものになります。日々の生活への影響は非常に大きいです。

毎月支払っている家賃を基準に考えてみるのも良いでしょう。
家賃を支払っても余裕があるようなら、それよりも多い金額を返済額にしても大丈夫でしょう。反対に、今の家賃の支払いを厳しく感じているのであれば、それよりも少なめに設定するべきです。

賃貸とは違い、持ち家はメンテナンスも自分で行うことになります。維持や補修のための費用を考えると、住宅ローン以外にも住宅のための費用がかかると考えておく必要があります。

●土地の仮押さえ
予算が決まったら、今度は土地探しをはじめましょう。

どんな土地に建てるかによって、家の形も変わります、建物について具体的に考えるよりもまず先に土地を仮決定したほうが良いです。

土地の形や傾斜はもちろん、周囲の状況も家づくりに影響します。隣家との距離が近ければ、中が見えてしまうような大きな窓のあるリビングは作りにくいです。日当たりや騒音の影響も考える必要があります。
土地を決めるよりも先に、間取りを決めてしまうと、土地の状況とあわずに修正が必要になったり、考え直しになったりする可能性があります。
二度手間を防ぐためには、土地を先に決める必要があります。

気に入った土地を見つけたら、まずは仮押さえをします。
土地の仮押さえは、不動産会社に買付証明書を提出することで可能です。

買付証明書には法的な拘束力はなく、違約金や手数料なしで購入を撤回することができます。
しかし、だからといって気軽に仮押さえをしたり、複数の土地をキープしたりしてはいけません。
法的な拘束力がないということは、信頼関係で成り立っている仕組みであるということです。信用を失うような行動をすれば、買付証明書を受け取ってもらえなくなる可能性もあります。
特に悪質であると判断されれば、損害賠償を求められる可能性もあります。

●依頼先決定・建物プラン作成
土地の次は建物について考えていくことになります。

建物の詳細なプランを練る前に、まずはどこの住宅会社に建築を依頼するか決めなくてはなりません。
住宅の出来栄えや快適さは、依頼先によって大きく左右されます。依頼先の選定のためには積極的な情報収集が必須です。

土地を抑えた後に依頼先を一から選ぶとなると非常に時間がかかります。家づくりを考えはじめた時点で、どんなハウスメーカーや工務店があるのか調べ、土地探しと平行していくつかの候補を探しておくようにすると良いでしょう。

依頼先を数社まで絞ったら、それぞれに住宅のプランを提案して貰いましょう。もしかすると、情報収集をするうちに「ここで建てたい」と決めた会社があるかもしれません。しかしその場合でも、念のため他の会社からも提案を受けておいたほうが良いです。

他の人が建てた住宅が魅力的でも、その会社が自分の希望に応じて建てられる住宅が同様に魅力的であるとは限りません。もっと他に良い提案をしてくれるところがあるかもしれません。
良いものを選ぶためには、いくつかのプランを比較してみることが大切です。

ハウスメーカーや工務店の中には、契約後でなければ一切のプランは出せないと説明するところもあります。
確かに詳細な間取りの作成や細かな打ち合わせにはコストが掛かるため、無償で応じることができないというのは理解できます。ただ、最初の提案すら難しいと断るような会社は避けたほうが無難です。

契約するということは、法律に縛られるようになるということです。提案が気に入らないからといって、契約を破棄すると違約金を支払うことになってしまいます。

どんな家を提案してくるか全く分からないにもかかわらず、安易に契約してしまうのは非常に危険です。

さて、依頼先が決まったら、どんな家をたてるのか詳細に決めてゆきます。
間取りだけでなく、設備や外観、内装など出来る限り細かくこの段階で決めてしまいます。この後でも変更は可能ですが、住宅ローンの審査の関係上、これ以降大幅な変更をするのは難しくなります。

●住宅ローン事前審査
住宅ローンには事前審査と本審査があります。

本審査は土地や建物の契約の後に行うのですが、契約後に肝心の住宅ローンが借りられないとなってしまっては購入者も住宅会社も困ってしまいます。
そこで、契約を結ぶ前に住宅ローンが借りられそうかのチェックを行うのです。

この時の注意点としては、事前審査の時の金額と、本審査の時の金額に大きな開きがないようにすることです。金額が減るのであれば問題はありませんが、借入額が増えると住宅ローンの条件も厳しくなるため注意が必要になります。

できれば事前審査の時点で借入可能額の上限を聞いておくと良いでしょう。その上限以内であれば、借入額が増えてもそのまま本審査に通る可能性が高いため、プランの変更も行いやすくなります。

審査には1週間程度かかります。

審査時にチェックされるのは、主に年収や他のローンの借入状況、信用情報などです。
転職したばかりの人や、他にも借り入れがある場合、追加で書類提出などが必要になることもあります。この場合、書類のやり取りやチェックなどで審査に時間がかかることになります。

●建物プラン最終決定
建物のプランに変更を加えたい場合、ここが最後のポイントになります。
契約を結んでしまうと基本的に変更は難しくなります。

住宅ローンの事前審査が終わってしまっているため、大きな金額の変動を伴うものは難しいですが、これ以降は小さな修正も難しくなってしまいます。
後悔や不満が残らないよう、細かくチェックしましょう。

●契約手続き
土地と建物の契約をします。

もっと早い段階で土地の契約手続きをしてしまう人も居ますが、建物の内容が完全に決まるまでは仮押さえに留めておくことをおすすめします。

予算が決まっている以上、土地の金額が決定した時点で建物に割くことのできる金額も決まってしまいます。
しかし、建物のプランを練っていくうちに、もっと建物にお金をかけたいと思うかもしれません。そんな時、土地の契約がまだなら、土地の価格を抑えて、建物の予算にまわすことができます。
柔軟性を考慮すると、土地の契約はギリギリまで伸ばしたほうが便利です。

土地と建物の契約には「住宅ローン特約」というものをつけます。
これは、住宅ローンの本審査に落ちてしまった場合、違約金なしで契約を白紙に戻せるというものです。この特約がないと、万が一住宅ローンが借りられないとなった時に大変なことになります。
住宅ローン特約を設けるのが普通ではありますが、念のため確認するようにしましょう。

●住宅ローン本審査
事前審査から大きな変更がなければ、基本的には問題なく通過できます。

事前審査よりも金額が減っていれば特に通過しやすいです。金額が増えていた場合は、融資条件に満たないため不可となる可能性があります。

しかし、中には事前審査から変化がないにも関わらず、本審査に通過できないケースも存在しています。

本審査では事前審査の時よりも細かく審査が行われ、チェックされる項目が増えます。そのため、事前審査で問題ないと判断されていたにも関わらず、本審査で引っかかってしまうのです。

まず考えられるのは、建物と土地の評価額が借入額よりも明らかに低い場合です。

住宅ローンを組む際は、土地や建物が担保となります。万が一住宅ローンの返済が困難となった場合、担保となった土地や建物は金融機関のものになります。
土地や建物の評価額が融資金額よりも低すぎると、担保としての価値が不十分とみなされてしまいます。

建物の評価額は床面積に影響されます。建築費が高くても床面積が小さければ、評価額が低くなってしまう可能性があります。

2つ目は、団体信用生命保険の加入が必須にもかかわらず、健康上の理由により保険への加入が認められないというケースです。

団体信用生命保険とは、加入者がなくなったり重い病気になったりなどして、住宅ローンが払えなくなってしまった時のための保険です。住宅ローンの中にはこの団体信用生命保険への加入が必須の商品があります。

対策としては、団体信用生命保険への加入が必要のない住宅ローンを利用することです。例えば、フラット35では団体信用生命保険への加入が義務ではありません。

本審査にかかる時間は、事前審査よりも少し長く、2週間から1ヶ月程度です。
こちらも追加書類の有無等で時間が伸びる可能性があります。

●土地所有権移転手続き
住宅ローンの本審査に通過すれば、もう審査に落ちる心配もなくなるため、住宅ローン特約の必要もなくなります。
いよいよ土地の所有権を前所有者から受け取ることになります。

土地所有権移転の手続きの際は、購入者と前所有者の他に、不動産会社や司法書士が立ち会います。そこで契約書のやり取りを確認したら、依頼された司法書士が金融機関に手続き完了の旨を伝えます。
司法書士から連絡をうけた金融機関は、土地の購入者に土地の代金を振り込み、今度は購入者が売り主に土地の代金を振り込んで一連の流れが完了します。

土地所有権移転にはいくらかの費用が発生します。
まずは所有権移転登記のための費用。これは土地の広さによって変わりますが、10万円から20万円程度です。
そして、土地の売り主が不動産会社以外の場合は、不動産会社に仲介手数料を支払います。仲介手数料は土地の金額によって変わり、数十万円ほどかかります。

他にも、水道加入金などの費用が発生することがあります。

●建築工事
いよいよ建物の工事となります。
工事そのものについては特にこちらがすることはありませんが、流れを知っておけばどのぐらい日数がかかるのかも分かりやすくなります。

住宅の工事の流れには色々ありますが、一例として紹介します。

1.確認申請(1~2週間程度)
2.地鎮祭(希望すれば)
3.地盤調査・地盤改良工事(地盤改良工事は必要にがあれば)(1週間程度)
4.基礎工事(1週間程度)
5.建物工事・付帯工事(45~90日程度)

工事の手順や所要日数については、会社や工法によって異なるため、あくまでも参考としてください。その会社でどのぐらいの工事期間がかかるのかについてはそれぞれの会社に直接聞いてみましょう。

●引き渡し・入居
建物が完成したら引き渡しとなります。

住宅の鍵を受け取るだけでなく、キッチンやバスなどの設備の使い方や、メンテナンスについての説明を受けます。設備の説明書や保証書も忘れず受け取りましょう。
賃貸とは違い、住宅の監理も設備の監理も自分で行うことになります。何か使い方などで疑問があればこの時に解決しておきましょう。

引き渡し後、引っ越しが完了すればついに新居での暮らしが始まります。

●家づくり開始から入居まで
今回紹介した家づくりの流れはあくまでも一例ですが、手間を省いたり柔軟性を確保したりするための工夫は多少手順が違っても役立つはずです。

また、家づくりの計画を立てる際には、自分で短縮可能な部分と、短縮できない部分をわけて考えることも大切です。
住宅ローンの審査にかかる時間や、工事にかかる時間は自分の都合ではどうにもできません。

住宅ローンの事前審査:1~2週間
住宅ローン本審査:最短1週間、通常2週間~1ヶ月
確認申請:1~2週間
地盤調査・地盤改良工事:1週間
工事:7週間~13週間

いつまでに入居しておきたいという目標がある場合は、これらにかかる時間を確実に確保した上で、土地探しや依頼先探し、プランの調整にかかるであろう時間を加えて考えることになります。

土地購入時に必要な費用は?

スムーズに家づくりを進めるためには資金計画が非常に重要です。

手持ちの資金では足りない分については住宅ローンを利用すればよいのですが、それでも借入額には年収に応じて上限が設けられています。月の返済額が大きすぎると生活を圧迫することになりますから、やはり使えるお金には限りがあります。

土地を購入する必要がある場合はさらに慎重になる必要があります。
限られた予算の中で、土地と建物のそれぞれにどの程度お金を使えるのかをよく考えないといけません。

せっかく良い土地を手に入れても、土地に予算を割きすぎてしまっては、満足の行く家をたてることはできません。反対に、土地の予算を節約しすぎて、希望通りの家を建てるには狭すぎるというケースも考えられます。

難しいのは、どんな家が建てられるのか具体的に考えることができるのは、土地を購入した後になってからということです。

上手に土地と建物の配分を考えるためには、土地の購入時にどれ位お金がかかるのか正確に把握することが重要です。土地を買うのに必要になるのは土地の代金だけではありません。

●手付金
頭金と呼ばれることもあります。

手付金は土地を購入する際に必要となるもので、住宅ローンを使用して土地の購入資金とする場合でも、先に手付金を現金で払うことになります。

たまに手付金と土地代金は別に用意しなければならないと誤解している人もいますがそれは誤りで、あくまでも土地代の一部を先に支払ってしまうというだけの話です。

土地の代金は高額で、手続きも煩雑です。買い手にとっても売り手にとっても負担になるため、簡単に契約を破棄してしまうことがないように、手付金という仕組みが存在しています。

買い手の都合で契約を破棄した場合、支払った手付金は返金されません。反対に、売り手の都合で契約を破棄した場合には、手付金は買い手に返金されます。

手付金の相場は土地代金の10%程度です。
3000万円の土地であれば300万円となります。この金額をあらかじめ支払わなければならないと考えると、かなりの負担であることが分かります。
また、住宅ローンの融資が実行されるのは住宅が完成し、引き渡されたあとになります。当然この手付金に住宅ローンは使用できません。
土地を買うならある程度の自己資金が必要になるということを覚えておくようにしましょう。

ただ、土地代金の10%が手付金というのはあくまで目安です。手付金の割合が決まっている訳ではありません。
契約を破棄する可能性がなければ、もっと多い金額を支払ってしまっても問題ありません。住宅ローンの借入額を減らすことができれば、それだけ支払う利息も少なくなります。
反対に手付金なしで契約するケースも存在します。買い手と売り手の間に信頼関係があれば、手付金がなくても問題ないからです。

どうしても10%の手付金を支払うのが難しいのであれば、金額を減らしたり、支払時期をずらしたりできないか不動産会社に相談してみましょう。

●仲介手数料
土地代金の次に大きな金額になるのがこの仲介手数料です。

仲介手数料とは、土地を所有している人と購入者の間を取り持つ不動産会社に対して支払うものです。
土地の売買には2つのパターンが考えられ、一つは売り手と買い手の間に不動産会社が入るというもの。もう一つは不動産会社自身が売り手となるというものです。
仲介手数料が発生するのは前者のパターンのみです。

売りに出されている土地がどちらのパターンかは、取引態様を見れば分かります。取引態様が「仲介」であれば仲介手数料が必要になりますが、「売主」となっているなら必要ありません。

仲介手数料については取引額に応じて条件が定められています。
・取引額:~200万円 仲介手数料:取引額の5%以内
・取引額:200万円超~400万円 仲介手数料:取引額の4%以内
・取引額:400万円超~ 仲介手数料:取引額の3%以内

例えば土地代金が2000万円の場合は以下のように計算します。
・200万円までの部分
200万円×5%=10万円
・200万円超~400万円の部分
200万円×4%=8万円
・400万円超~
(2000-400)×3%=48万円
10万円+8万円+48万円=66万円

また、仲介手数料は消費税の課税対象であるため、消費税もかかります。

●登記費用
土地購入時には、まず持ち主が変わったという内容の登記をしなくてはなりません。

所有者が変わったことを公的に証明するための登記は「所有権移転登記」と呼ばれるものになります。
手続きは司法書士に代理を依頼するが一般的で、報酬は3万円から7万円程度になります。
所有権移転登記は自分でも行うことが可能で、ある程度の知識と時間があれば司法書士への報酬を節約することができます。

所有権移転登記をする際には登録免許税が発生し、固定資産税評価額の2%かかります。

また、住宅ローンの担保に建物だけではなく土地も含まれる場合もそのための登記が必要になります。
抵当権設定登記と呼ばれるもので、登記された不動産はローンの担保であり、支払いが困難になった場合は金融機関に所有権が移るということを証明します。

こちらは建物と同じタイミングで登記をするのが一般的ですが、中には土地だけ先に抵当権設定登記が必要になる場合があります。

抵当権設定登記は金融機関にとって重要なものであるため、自分で登記の手続きをすることが認められないことが多いです。司法書士に依頼することになるため、報酬として2万円から5万円程度必要になります。

●固定資産税
土地などの固定資産には固定資産税が課されます。
土地を取得した場合、固定資産税の支払い義務が発生します。

固定資産税はその年の1月1日時点で所有していた人物に対して請求されます。
土地の途中で所有者が変わった場合、前の持ち主に対してそれ以降の固定資産税を支払うことになります。

所有者が途中で変わった場合、税額は日割りで支払うことになりますが、いつの時点から支払い義務が発生したのかについては注意が必要です。
切り替わるタイミングは売買契約を結んだ日ではありません。所有権移転を行った日が支払い義務の移るタイミングとなることを覚えておきましょう。

●印紙代
土地の売買時に作成される契約書には印紙税が課されます。
税額は契約金額に応じて以下のように定められています。

契約金額:10万円超~50万円 印紙税:200円
契約金額:50万円超~100万円 印紙税:500円
契約金額:100万円超~500万円 印紙税:1千円
契約金額:500万円超~1千万円 印紙税:5千円
契約金額:1千万円超~5千万円 印紙税:1万円
契約金額:5千万円超~1億円 印紙税:3万円
契約金額:1億円超~5億円 印紙税:6万円

●つなぎ融資の手数料
つなぎ融資とは、住宅ローンの融資が行われるまでのつなぎとして行われる融資のことです。

住宅ローンの融資は、住宅が完成し引き渡しが完了した後に実行されます。
しかし注文住宅の場合、着工や建築の途中の段階で一定額の支払いを求められることがあります。
そうした段階的な支払いについて、自己資金でまかなうことができれば問題ありませんが、支払いが困難な場合はつなぎ融資を利用することになります。

土地の購入がある場合、手付金などでも自己資金が必要になるため、こうしたつなぎ融資が必要となりやすいです。

つなぎ融資の利用時には、住宅ローンと同じく手数料が発生します。たかが手数料と思うかもしれませんが、数十万円以上かかることもあります。つなぎ融資を考えているのであれば、無視できない金額です。

●土地代金
当然ですが土地を買ったら土地の代金を払わなくてはなりません。

土地の代金から手付金を差し引いた残りの金額を後々支払っていくことになります。
ちなみに、土地購入時に消費税はかかりません。

●土地購入時の費用は土地代だけではない
ここまで説明したように、土地を購入すると土地の代金以外にも様々な諸費用が発生します。
諸費用は土地代金の4%から5%程度になるといわれており、3000万円の土地であれば90万円の諸費用がかかることになります。

そしてもう一つ注意しなければならないのは、印紙税や登記費用は住宅ローンではなく現金で用意する必用があることです。
手付金と合わせると、土地代金の13%から15%程度の金額が自己資金として必要であるといわれています。
土地が3000万円なら390万円から450万円が自己資金として必要になります。

良い条件の土地を購入したいと思う気持ちは誰でも同じです。
良い土地を見つけても、予算や自己資金についてのんびり考えていると、他の人に買われてしまうかもしれません。

良い物件を逃さないようにするためには、あらかじめ土地についてどれだけお金がかかるのかを知っておかなくてはなりません。

ローコスト住宅はなぜ安いのか

世間一般の人が抱くローコスト住宅のイメージは、はっきり言って良くありません。
値段が安いのだから、その分質も悪いのだろう、と考えている人が非常に多いです。

「ローコスト」を謳っているとは言え、住宅はやはり大きな買い物です。一生に一度あるかないかの高額な買い物ですから、絶対に失敗したくありません。
リスクを避けるためにローコスト住宅を選択肢から外し、少し無理をしてでも大手ハウスメーカーの住宅を買おうとする人も多いです。

参考:ローコスト住宅メリット・デメリット

確かに、中には質の悪い住宅ばかりの業者や、トラブルを起こしやすい業者もいます。
特にローコスト住宅が登場したばかりの頃は、広告では安くても、実際に家を建ててみたら高くついただとか、質の悪い建材を使用したことで問題が発生したであるなどのトラブルが報告されていました。

しかし現在では、そうした質の悪いローコスト住宅は減り、安くとも住みよい住宅が提供されるようになっています。
こうした背景には、コストカットに取り組む企業努力と、安くなければ住宅が売れなくなってきたという経済状況の変化があります。

今回は、ローコスト住宅の現状と、安さの理由について考えていきます。

◇ローコスト住宅と経済状況
敬遠されがちだったローコスト住宅が存在感を増してきた理由の一つに、経済状況の影響があります。

住宅を購入する際には住宅ローンを組むのが普通です。住宅ローン組むと、何年もの間毎月一定額を支払い続けることになります。
毎月の住宅ローンが毎日の生活に与える影響は大きいです。もし住宅の購入価格を低く抑えることができれば、生活にゆとりが出ます。

長期固定金利の住宅ローンの一つにフラット35という住宅ローンがあります。
このフラット35の利用者を対象とした調査では、2016年の住宅建設費の平均は全国で3308万円です。3308万円の住宅ローンを金利1.120%、35年間で組んだとすると、毎月の返済額は9.6万円になります。
実際はこれに土地の取得や様々な出費が重なることになるため、ローンの借入額はもっと大きくなることでしょう。

3308万円のローンと聞くとあまりピンとこないかもしれませんが、毎月10万円近い出費が35年間続くとなると、かなり大きな負担であることが分かるはずです。

厚生労働省の平成28年度の調査によると、世帯収入の平均は545万円です。しかし、平均所得金額以下の割合、つまり年収が545万円に満たない世帯が全体の61.4%もいることが分かっています。平均は545万円ですが、中央値は428万円です。一部の高額所得者が平均を引き上げているにすぎず、年収が500万円に満たない人のほうが多数であることがわかります。

年収の8割が手取りとすると、428万円の8割で約342万円が実際に使えるお金になります。これを単純に12で割ると月約29万円の収入になります。
ここから毎月9.6万円を住宅ローンの返済に充てると、一ヶ月に使えるお金は約19万円ということになります。

収入は世帯単位で考えていますから、この19万円で家族全員が生活することになります。毎月の食費や光熱費、子どもの教育費、保険料、老後のための貯金もここから捻出しなければなりません。家族の人数にもよりますが、あまり贅沢は出来ませんし、余裕もそれほどありません。病気や怪我など突然の出費が発生すれば、家計簿を見ながら頭を抱えることになるでしょう。
住宅ローンの支払いを考えると、とてもじゃないけれど家なんて買えないと結論づけてしまうかもしれません。

しかし住宅そのものの値段が安くなれば、住宅ローンの借入額も毎月の返済額も少なく抑えることが出来ます。毎月の生活にゆとりもできますし、家を買おうと思うことができます。
買い手にとっても、売り手にとってもローコスト住宅が求められる時代になっているのです。

◇ローコスト住宅の変化
●ローコスト住宅に対する不安
ローコスト住宅に需要は増えている一方で、低価格の住宅に対する心配や不安は根強いです。

ローコスト住宅への不安としてよくあげられているのは、以下のようなものです。

・価格を抑えるために建材質を落としており、品質や安全面に問題がありそう
・安いのは規定通りの家をつくったときだけで、実際に要望に応じて建てていくと高くつくのではないか
・断熱性や気密性に乏しく、省エネ性能が今後求められるレベルに足りないのではないか

こうした不安の声が上がるのは、どうして安くできるのかあまり知られていない、という事情があります。ローコストを実現できている理由がわからないため、何か悪いことをしているのではないかと疑ってしまうのです。

●ローコスト住宅の変化
一昔前のローコスト住宅は、性能は二の次でともかく安くつくるという住宅が多数ありました。安かろう悪かろうの典型で、品質も低く、トラブルも頻繁に起こっていました。
ローコスト住宅に対する不信感は、当初の品質の悪さによって形成されたもので、業界の自業自得な面があるのは否めません。

しかし、ローコスト住宅そのものも、住宅を取り巻く環境も変わってきています。住宅価格を下げなければなかなか住宅は売れず、企業努力でコストカットを徹底しなければ生き残れません。
最初から安上がりに家を建てようとするのではなく、コストカットを重ねることで普通の家がローコストで提供するというやり方に変わってきているのです。

では、低価格で安定した品質の住宅を提供するために、一体どのような工夫が行われているのでしょうか。いくつかの例を紹介します。

●仕入れの効率化
同じ建材を使用するのでも、仕入れのルートを変えれば品質は落とさず安くすることができます。

仕入れは複数の業者を介するのが普通で、いろいろな業者が間に入る度にマージンが発生します。
メーカーから仲卸業者へ、仲卸業者から専門業者(例えばサッシであればサッシ専門の業者、床材であればそれが専門の業者など)へ、そして専門業者から実際に工事を行う建築会社へ、という流れです。
当然、仲介する業者が多いほどマージンが増えるため、部材のコストも上がります。

規模の小さい業者が自力で検査位を手配したり、直接メーカーとやり取りをしたりするのは大変で、業者にとってもメーカーにとっても非効率的です。そのため、このようにいろいろな業者を間に挟むというものの流れになっています。
しかし消費者からすると、いろいろな業者を挟んでいるだけで物の値段が上がっていくのは、やはり気持ちのよいものではありません。

例えば、最初にメーカーが販売する価格が10万円でも、業者を挟むごとに20%のマージンが発生するとしましょう。すると建材の価格は、
10万円→12万円→14.4万円→17.28万円
と増えていきます。3番目の業者を介するころには、1.5倍以上の価格になってしまうのです。こうして値段の上がった建材をたくさん使って家を建てれば、価格が高くなってしまうのは道理でしょう。

だからといって、全ての建材や部材をメーカーから直接仕入れるのは現実的ではありません。ある建材については仲介する業者をひとつ減らし、ある金物については直接メーカーから仕入れる……そうした一つひとつの積み重ねをしてゆくことで、全体として住宅価格を抑えることに成功しています。

●効率的な工法の採用
家をつくる材料だけでなく、どうやってつくるかという部分についても効率化が可能です。

例えば木材の加工を考えてみましょう。
家を建てるには決まった長さにカットした木材が必要になります。木材が自然のものである以上、形を揃えるにはどこかで加工が必要になります。
しかし、木材の形や長さを揃える加工をいちいち建築現場で行うのは非効率的です。加工に時間が掛かって工期が延びるだけでなく。木材の加工ができる職人が現場にいなければならないため、人件費もかかります。
そこで、あらかじめ別の場所でまとめて木材を加工し、その後現場に持ち込むように手順を変えます。そうすれば、現場で加工する分の時間を節約できますし、木材を加工するための職人も道具も置かずに住みます。加工された木材の品質確認もまとめて行えるため、安定した品質の建材を確保することにもつながります。

●広告の削減
顧客の確保にはまず「存在を知ってもらう」ことが重要になります。そのために。ハウスメーカーや工務店はテレビや雑誌、新聞やチラシなどに住宅の広告を出します。
しかし、広告や宣伝には多額の費用がかかります。

徹底した効率化によりコストカットが進んでいるはずの大手ハウスメーカーの住宅価格が高いのは、こうした広告宣伝費が住宅価格に上乗せされているためです。
大手ハウスメーカーの名前を誰もが知っているのも、「大手だから」という安心感もこうした広告効果の賜物ではありますが、安く家を建てるには広告宣伝費も削らなければなりません。

しかし、全く広告も宣伝もなくすわけにはいきません。安く家を建てられるということも、住宅の品質に問題がないことも、宣伝しなければ消費者には伝わらないからです。
そこで、ローコスト住宅を扱う会社では、家を買おうとしている人に出来るだけ効率よく届くように、最大限の工夫をして宣伝をしています。

●人件費の削減と効率化
ビジネスの世界では、会社の利益に直接貢献しているのは全体の2割のヒトやモノであるといわれています。極端な話、この無駄な残り8割にかかっているコストをカットすれば、住宅の価格もぐっと下げることができるはずです。

実際にそんなことは不可能ですが、今まで8人必要だった仕事を作業や社内システムの効率化で7人にすることは可能です。社員教育を行うことで、利益に貢献する人間を2割から3割にする事もできます。

●ローコストの理由を知ることが大切
住宅の品質を下げずに価格を抑えることができるのは、その裏に様々な工夫が存在しているからです。
ローコスト住宅を扱う会社を選ぶ際に重要なのは、どんな企業努力によって安さを実現しているのかを知ることです。

どうして安いのか、どんな工夫をしているのかを調べ、チラシやパンフレットを見ても理由が分からないようなら、直接営業の人などに尋ねるようにしましょう。明確な答えが貰えなかったり、すぐに返事がなかったりするようであれば用心するべきでしょう。

◇安かろう悪かろうの時代は終わりつつある
ローコスト住宅が低品質だというのは昔の話です。
今は消費者も低価格な住宅を求めており、ローコストな住宅でなければ売れにくくなっています。

ローコスト住宅が怖いからといって、無理して高価な住宅を購入してしまうと、ローンの返済に追われるばかりで、せっかくの新居での生活も楽しくないものになってしまいます。

信頼できるローコスト住宅メーカーは、色々な工夫によって質を落とさずに購入しやすい住宅を提供できるように努力しています。
そうした良いローコスト住宅を見つけるためには、なぜ低価格を実現できているのかをしっかりと知ることが重要です。

坪単価の注意点と正しい坪単価の見方

住宅の広告を見ている時に気になるのが「坪単価」という言葉。
坪単価を見ながら、
「このぐらいの広さだったら、○○万円で家が建つのかな」
と想像してしまう人は少なくないはずです。

また、坪単価から「この住宅会社は安い、この住宅会社は高い」と比較してしまうこともあるかもしれません。

しかしこの坪単価、家の値段を考えたり、値段の比較をしたりするのには全く向いていません。それにもかかわらず広告や比較サイトなどで頻繁に取り上げられているのは罠と言っても良いでしょう。

今回は坪単価を見る時の注意点と、正しい坪単価の出し方を紹介します。

◇住宅業界に蔓延する「坪単価」
坪単価は不動産広告だけでなく色々なところで見かけます。ハウスメーカーを紹介する際にも、坪単価を一緒に並べて紹介していることも多いです。
そのため、坪単価を「簡単に住宅価格を測るためのものさし」として捉えてしまっている人も多く、家づくりやお金のやりくりで失敗する人を生んでしまう一因にもなっています。

いかにも価格の参考になるという顔をして並べられている坪単価ですが、実際にどのようにして坪単価が決められているのかを知っている人は多くありません。

◇坪単価とは?
坪単価とは、家の価格を坪数で割り、一坪当たりの値段がいくらになるかを表したものです。
単純に考えれば、30坪1500万円の住宅の坪単価は50万円になります。

しかし、広告に坪単価50万円と書かれていても、実際30坪の住宅を建てるとなると予算1500万円では足りません。実際には、もっと費用がかかります。
実際「坪単価○万円と聞いていたのに、思ったよりもお金がかかってしまった」という後悔は、注文住宅では非常によく見られます。

一体なぜこのようなことが起こるのでしょうか。

これには大きくわけて4つの理由があります。順に説明しましょう。

●坪単価の内訳が違う
坪単価は家の価格を元に計算されますが、この家の価格が指すものが住宅会社によって違っています。
坪単価を考える上で一番注意しなければならないポイントです。

坪単価を求める際、建物本体価格を面積で割って計算します。この建物本体価格というのが非常にやっかいな存在なのです。
言葉通りに受け取るのであれば、建物そのものの値段、ということになりますが、どこまでが建物本体と呼べるのでしょうか。

壁や床、窓は当然建物でしょう。では、トイレはどうでしょうか。トイレがなければ生活に非常に不便ですから、住宅の基本的な設備として、建物に含めて考えても良いでしょう。では、塀はどうでしょうか。プライバシーの確保のためには必要ですが、家とは離れているため、建物の一部とはいえないかもしれません。
「建物本体」といっても、何を指しているのか人によって感じ方は様々です。

そして同様に、住宅会社によっても「建物本体」がなにを指しているかはまちまちです。これでは価格の比較には使えません。
これは住宅会社の意地悪で建物本体の定義を変えている訳ではありません。各社で住宅の作り方や考え方が違うためにどうしてもこうした違いが生まれてしまうのです。

さらに、基本的には「建物本体」と呼ばれる場合、水道や電気などの工事は含まれていません。「建物本体」だけでは到底住める状態にはならず、絶対に追加工事が必要になります。
そのため、坪単価を予算の参考にすることも難しいです。

どうしても坪単価を価格の参考にしたいのであれば、建物本体に何が含まれて、何が含まれていないのかを明らかにする必要があります。

●家の大きさの影響
家の広さも坪単価に大きく影響します。
全く同じ仕様の家でも、面積が小さいほど坪単価が高くなるためです。

例えば、40坪3000万円の住宅があったとします。坪単価は75万円となります。
しかし、この住宅と全く同じ住宅を20坪で坪単価75万円、合計1500万円で建てることはできません。建物本体価格に限っても、もっと費用がかかります。

坪単価は建物の価格を面積で割った値段ですが、キッチンやバスルームなど住宅に一つしかないような設備の価格も面積で割ることになります。面積が広ければ広いほど大きな数字で設備費用を割ることになるため、坪単価も低くなるのです。

広告などで見かける坪単価も、家の面積がこのぐらいの時に坪単価いくらという形で計算しています。基本的には平均的な家の広さから坪単価を出すようにしている会社が多いです。
しかし中には、坪単価を安く見せるために、広すぎる家を基準に坪単価を計算しているようなケースもあります。たちの悪い業者や広告に騙されないようにするためには、どのぐらいの広さの家が前提となっているかについて注意をする必要があります。

●床面積の種類と計算方法
坪単価は建物価格と床面積によって計算されますが、この床面積にも幾つかの種類があります。
住宅業界で使われる面積は、延床面積と施工床面積の2つです。

延床面積とは、バルコニーやベランダなどを含まない面積で、基本的には壁と屋根がある部分の床のみの面積です。
一方の施工床面積は、バルコニーやベランダなども含んだ面積です。
そのため、延床面積よりも施工床面積の方が広くなります。

広いバルコニーがある建物の場合、延床面積と施工床面積では3坪近く床面積に差があることもあります。坪単価を延床面積で計算するのと施工床面積で計算するのでは、10万円近く違いが生じることもあります。

坪単価を表示する場合、当然住宅会社は少しでも価格を安く見せたいと考えています。そうなると、床面積が広くできる施工床面積から坪単価を計算することになります。

多くの会社が施工床面積で坪単価を計算しているのであればそれで問題ないのではないか、と思うかもしれません。しかしさらに面倒なことに、施工床面積に何が含まれるかが住宅会社によって微妙に異なるのです。
延床面積については、正しい算出方法が法律で決まっているため、どこの会社でも同じです。一方の施工床面積については「施工した部分の面積」とされてはいるものの、明確な基準はありません。

例えば、吹き抜けの部分を施工床面積に含める会社もあれば、そうでない会社もあります。階段程度の吹き抜けであればそんなに大きな差にならないかもしれませんが、リビングに広い吹き抜けがあった場合はかなり大きな影響になってしまいます。

会社ごとに面積の計算方法が違う以上、坪単価を値段の比較に使うことはできません。

●標準仕様の違い
当然ですが、設備や素材、内装などを良いものにし、グレードをあげるほど住宅の価格は上がり、坪単価も高くなります。

坪単価は、その会社の標準仕様をベースに計算されるため、最もシンプルな状態を前提にして考えられています。もちろん、どの程度の設備や素材を標準としているかは、会社ごとに違います。
A社は坪単価30万円、B社は40万円と広告にあったが、設備やグレードを揃えてみたら実はB社の方が安かったということも十分ありえます。
家の内容が異なる以上、やはり坪単価だけで値段が安いか高いかを考えるのは誤りでしょう。

しかも、せっかく家を建てるとなると、標準仕様だけでは満足できない人が多いです。標準仕様に何か足したり変更を加えたりする場合、値段もないように応じて増えてゆくことになります。
坪単価は最低価格の目安にはなっても、実際にトータルでいくらになるのかを考える参考にはなりません。

●地域による坪単価の差
地域によっても坪単価には差があります。
都市部になればなるほど高く、地方ほど安くなる傾向にあります。

住宅支援機構の平成15年の調査によると、最も高い東京で坪単価の平均が75万円、最も低い宮崎県で47万円となっています。少し古いデータではありますが、住宅価格自体の変動はあっても、地域の格差が縮まっている可能性は低いと見て良いでしょう。むしろ、人口の一極化がより進んでいることを考えると、これよりも差が広がっている可能性すらあります。

このデータから分かるのは、全く異なる地域の坪単価は参考にならないということです。チラシであれば近隣地域の情報だけになるため問題ありませんが、インターネット上の情報の場合、どこの地域の情報なのか判別できないことも多いです。

◇正しい坪単価はどのように手に入れることができるのか
坪単価はそのもととなる住宅価格も面積も内容が曖昧で、参考にするには怪しすぎる数字であるということがお分かりいただけたでしょう。

坪単価を信頼できるデータとするためには、条件を揃えることが必要になります。
この時必要になるのは、最終的な見積価格と延床面積です。

建物本体価格の内容が曖昧な以上、各社で条件を揃えるには、総額から計算するしかありません。また、基準の曖昧な施工床面積ではなく、法律によって定められた延床面積であれば、どの会社でも平等に比べることができます。

◇ハウスメーカー、工務店、建築家と坪単価
ここからは視点を少し変えて、ハウスメーカーや工務店、建築家依頼と坪単価について考えてみましょう。
依頼先によって坪単価はどのように変わるのでしょうか。

●ハウスメーカーの坪単価
大手ハウスメーカーの2015年の平均坪単価は以下の通りです。
・三井ホーム:94万円
・住友林業:93万円
・積水ハウス:87万円
・ヘーベルハウス:85万円
・大和ハウス:84万円
・セキスイハイム:81万円
・ヤマダ・エスバイエルホーム:76万円
・ミサワホーム:73万円

これらの坪単価は、実際の本体価格から計算されているため、広告などに掲載されているものよりもやや高めであるものの、よりリアルな数字であると言えるでしょう。
また、会社間の比較には向いていないものの、そのメーカーを利用したら最低どのぐらい必要なのかということについて考えるための参考としては有用です。

平均本体価格は3324万円です。
例えば3300万円を35年間の住宅ローンとしたとすると、金利1.12%なら月の返済額は9.6万円となります。ちなみに、3300万円の融資を受けるには390万円以上の融資が必要になります。

また、この坪単価は本体価格から計算しているものであって、総費用ではありません。実際はもっとお金がかかることになるため、月の返済額もより高くなると考えておいたほうが良いでしょう。

●工務店の坪単価
工務店には規模の大きなところから小規模なところ、ローコスト住宅から高級路線までさまざまで、坪単価にも幅があります。

ただ、一般的に同程度のグレードの住宅であれば、工務店の方が安い傾向にあります。知名度や営業力で大手に劣るぶん、価格を下げて顧客を確保する必要があるためです。

安さを売りにしている工務店の中には、坪単価が30万円を切っているようなところもあります。大手ハウスメーカーの坪単価が70万円、50万円といわれている中で、この30万円という数字を見てしまうと、どうしても数字のインパクトに圧倒されてしまいます。

ただ、ここで思い出して欲しいのは、坪単価は標準仕様の住宅を想定して計算している、ということです。標準仕様では設備も内装も必要最低限のシンプルなものが採用されることが多いです。特にローコストを売りにしている場合この傾向が顕著で、標準仕様では快適な生活が難しいレベルまで絞っている場合もあります。
現実的に考えると、坪単価38万円ぐらいが最低ラインと言えるでしょう。有能な設計や営業が最大限工夫すればこれ以下の坪単価でも快適な住宅を建てることも可能ですが、これよりも低い坪単価で建てられると言われた場合はまず疑っておいた方が良いです。

家を建てる以上、どこのハウスメーカーでも工務店でも多少の差はあれ最低価格があります。極端に安い場合はどうしてそれだけ価格を下げられるのか確認したほうが良いです。
床面積や坪単価の計算を利用した見せかけの数字である可能性もありますし、安くするために品質を損なっている可能性もあります。

●建築家と坪単価
家を建てるとなると、ハウスメーカーか工務店の2択と考えてしまいがちですが、建築家に設計を依頼するという方法もあります。

ハウスメーカーや工務店に依頼するよりも高額になりやすいものの、柔軟性やデザイン性の高さは魅力的で、他と違うこだわりの一軒家を求めている場合には選択肢の一つとなるでしょう。

建築家に依頼する場合、坪単価という考え方は向いていません。
坪単価は基本的に他と値段を比較するために用いますが、オンリーワンの住宅を作る以上、他との比較は困難です。住宅価格と面積から坪単価を計算したとしても、あまり意味のある数字にはなりません。

◇坪単価は便利なものさしではない
広告や住宅会社の比較でよく登場し、便利に価格を比較できるツールとして扱われがちな坪単価ですが、実際は非常に信頼性の低いデータです。

坪単価は建物の価格を面積で割ることによって計算されますが、建物価格も面積も定義があいまいで、会社ごとに何が含まれ、何が含まれていないのかが異なります。
また、家の大きさや標準仕様の内容、建設する地域が与える影響も大きいです。
同じ坪単価でも、どんな条件を元に計算されているかが違っているため、住宅価格を比較するには向いていません。
しかも、坪単価は安く見えるように工夫されていることが多いため、坪単価から予算を考えるのも危険です。

坪単価は一見簡単に住宅の価格が簡単に比べられて便利なように見えますが、ベースとなる条件がバラバラだという問題を抱えています。
価格の比較をするためには、自分で坪単価を計算するか、総費用で比べる必要があります。

ハウスメーカーと工務店の違いとメリット

ハウスメーカーで建てるか、工務店で建てるかというのは最初にぶつかる大きな問題です。

注文住宅ではどの会社に依頼するかが大切、とよくいわれているように、依頼先選びによって価格も家の出来も、その後の生活も大きく変わります。
一生に一度しかない大きな買い物ですから、依頼先の選定は間違いがないように慎重に行う必要があります。

一戸建てを扱う会社は大きくハウスメーカーと工務店に2つに分けることができます。
では、どちらに頼んだほうが良い家づくりができるのでしょうか。
今回はハウスメーカーと工務店の2つを比較し、どちらを選ぶのが良いのか考えていきましょう。

◇ハウスメーカーと工務店
家づくりの話題では必ず見かける「ハウスメーカー」と「工務店」ですが、実はこの2つを正確に区別できるような基準はありません。慣例として呼び分けているにすぎず、明確な基準や法律などがあるわけではないのです。

●ハウスメーカー
昔は、積水ハウス、セキスイハイム・大和ハウス・パナホーム、ヘーベルハウス・ミサワホーム、住友林業、三井ホームの大手8社のみを指す言葉として用いられていました。
しかし、現在ではそれ以外の住宅メーカーを指す言葉として一般的に使われるようになっています。
基本的には広範囲に事業を展開している規模の多い住宅メーカーを指して「ハウスメーカー」と呼ぶことが多いです。

●工務店
ハウスメーカーに対し、一つの地域で住宅建設を行っている建設業者を「工務店」とよんでいます。

一口に工務店といっても、実際には色々なタイプの工務店があります。
新築住宅をメインに扱っているところもあれば、新築は一切扱わず、リフォームをおもに取り扱う工務店もあります。また、一般住宅ではなく、店舗の建設や改装を得意としている工務店もあります。

ただ、今回はハウスメーカーとの比較をする関係上、「工務店」は新築の戸建て住宅を主に扱っている会社のみに限ることとします。

工務店では、ハウスメーカーや個人から住宅の建設工事を請け負って、現場で工事を行います。住宅の建設には、大工の他、鳶や左官、水道や電気工事などの専門的な職人が必要になります。そうした職人たちを手配し、取りまとめるのも工務店の役目です。

●ハウスメーカーと工務店の区別
前述のように、この2つを明確に分けることができるような基準は存在しません。
一般的には、会社の規模と家づくりの方法によって区別しています。

まず、一つの地域ではなく、広い地域で住宅を扱う規模の大きいものがハウスメーカーと呼ばれています。
ただ、この規模の大きさにも基準はなく、どれぐらいの範囲で展開していればハウスメーカーと呼べるのかについては、はっきりと決まっていません。

誰でも知っているような超大手ハウスメーカーでも、寒冷地の住宅を取り扱っておらず、実は47都道府県全てで展開していない場合もあります。一方で、特定の地方のみで展開しているにも関わらず、ハウスメーカーを名乗ったり呼ばれたりする会社も存在します。
一条工務店のように、ハウスメーカーに分類される会社でも「工務店」の名前がついているケースもあり、非常にややこしいです。

もう一つの家づくりの方法ですが、全体の傾向として、ハウスメーカーの住宅は規格がある程度決まった商品の中から選択し、選んだものを建てるというスタイルの住宅が多いです。もちろん家の大きさや間取りを選ぶことは出来ますが、既に決まっている部分も多く、用意されているパーツの中から選んで家をたてるような家づくりになります。
一方の工務店ですが、ハウスメーカーと比べると一から家をつくっていくという要素が強いです。商品を購入するというよりも、オーダーメイドで家を作るという感覚に近いです。

ただ、これも傾向でしかないため、例外や合わないケースはいくらでもあります。

◇ハウスメーカーと工務店を比較
ハウスメーカーと工務店は規模や家づくりの方法が違うということがわかりました。
では、それらの違いは実際に注文住宅をつくるにあたって、どんな影響をおよぼすのでしょうか。
いくつかのポイントに分けてハウスメーカーと工務店の違いを見ていきましょう。

●価格の違い
絶対に無視できない価格の違いからチェックしていきましょう。

全体の傾向としては、工務店の方がハウスメーカーよりも安いです。

ハウスメーカーの住宅は非常に効率的に造られており、材料の大量入荷や建材の大量生産によってコストの削減が行われています。工事のススメ方もマニュアル化されており、無駄が少ないです。
それにもかかわらず、ハウスメーカーの方が高価格になりやすいのには、いくつかの理由があります。

まず一つは、広告や宣伝にお金をかけているためです。
誰もが知っている有名ハウスメーカーは、知名度をあげるためにたくさんの広告を出しています。たくさんの人に知ってもらうことで顧客を増やし、住宅を大量生産できるような環境を作り上げているのです。
また、大手は研究開発にもコストをかけています。規模の小さい工務店では、新しい技術の開発に取り組むことはなかなか出来ません。

これらの費用が住宅の価格に上乗せされるため、ハウスメーカーの住宅は効率化が進んでいるにもかかわらず、工務店よりも高価格になりやすいのです。
例えば3000万円の住宅の場合、ハウスメーカーではそのうち500万円程が広告宣伝費だといわれて居ます。

ただ、価格はあくまでも傾向であり、ハウスメーカーでも価格を抑えた家づくりは可能ですし、工務店でもこだわりの家を建てようと思えば価格も上がります。

●技術力の差
大手のハウスメーカーの方が圧勝するのではないか、もしくは熟練の職人外装な工務店が強いのではないか、と思う人もいるかもしれませんが、技術力についてはどちらが勝っているとも言えません。

というのも、ハウスメーカーを選んだ場合でも実際に工事するのは、下請けの工務店だからです。技術力があるかどうかは、どこの工務店が携わるかによって左右されるため、どこのハウスメーカーであれば技術力がある、ともなかなか言い切れません。

工務店の場合、技術力は会社によるため、依頼時には信頼のおけるところを選ぶ必要があります。
良い工務店を見分ける方法としては、同じ地域で長く続いている工務店は、確かな腕を持っている可能性が高いです。
同じ地域で事業を続ける関係上、悪い評判はあっという間に広まってしまいますし、安定して存続し続けるためには確実に成果をあげていなければなりません。
規模の大きくない工務店であっても、長く続いている会社であれば、高い技術力が期待できます。

一方、ハウスメーカーの下請けは自分で選ぶことが出来ません。この点からすると、工務店選びさえ上手にできれば、工務店の方が技術力のある可能性が高いといえるでしょう。

ただ、ハウスメーカーの場合は材料の規格化、現場工事の簡略化、作業のマニュアル化などが進められているため、現場の技術力に出来が左右されにくいという性質があります。多少技術力が欠けていたとしても、問題の発生しにくいシステムになっているのです。

●品質の安定性
建材や建具などのパーツレベルで言えば、ハウスメーカーの圧勝でしょう。

建材は現場加工ではなく工場で加工されているため、個人の判断に左右されず、常に一定の品質を保つことが可能です。
大手ハウスメーカーのなかでは、扉や窓のなどの建具や金物まで自社製品を使用しているところもあります。この場合、自社の名前に傷がつかないように安定した品質のものを使って居ます。

工務店の場合、品質は個々の工務店によります。
材料一つひとつにこだわっている工務店もあれば、価格を抑えるためにギリギリまで質を下げたものを使用している工務店もあります。

建物全体の品質で考えた場合は、工務店の方が有利です。

ハウスメーカーの場合、客と直接打ち合わせをする営業と、現場管理の担当者は別であることがほとんどです。効率出来ではありますが、客の目や要望が届きにくい環境です。

しかし、工務店の場合は現場管理の担当者と営業が同じケースが多く、客との距離も近いです。要望や希望が通りやすく、質の高さも期待しやすいです。

●工期
構法にもよりますが、ハウスメーカーの方が圧倒的に短いです。

ハウスメーカーでは工場で木材などを加工しておき、現場では組み立てるだけというスタイルが多いです。特に工期の短いハウスメーカーの場合、箱状に組み立てた部屋を現場まで運び、一日のうちに家の形が出来上がるというところもあります。
こうした事前加工による工期短縮はハウスメーカーの強みの一つです。

工期の短さは建て替えの場合に特にメリットが大きく、仮住まいの期間を短縮することが出来ます。

●柔軟性の高さ
せっかくマイホームを建てるのだから、理想の住まいを実現したいという人も多いことでしょう。
柔軟性や要望の通りやすさ、実現性という点においては、工務店の方が優れています。

ハウスメーカーの住宅は企画が決まっているため、細かい要望には対応しにくいです。対応ができたとしても、規格から外れた住宅は値段が上がりやすく、現実的ではなくなってしまいます。

工務店はプランや規格がハウスメーカーにくらべそれほど定まっていません。
要望を聞きつつ家づくりを進めていくことができるため、細かい要望への対応や、こだわりの一軒家づくりもしやすいです。

●住宅ローン
基本的に、住宅ローンの審査は、年収や借入額、信用情報に左右されますが、建築会社の影響も存在しています。

ハウスメーカーは担当も配置も変わりやすく、長くその地域で同じ銀行とやりとりしている担当者はなかなかいません。

対して工務店は長くその地域で担当を続けている場合が多く、実績のある工務店であれば銀行からも信頼を得ている可能性が高いです。
住宅ローンの手続きを代行して貰う場合も、経験豊富な工務店に依頼したほうがスムーズでしょう。

◇ハウスメーカーと工務店、どちらがいいのか
ここまで比較してきて分かるように、ハウスメーカーにも工務店にもそれぞれ長所や欠点があります。
どちらかが絶対に優れているとは言えません。

ハウスメーカーと工務店、どちらを選ぶかで重要なのは、家づくりにおいて重要視している部分を優先するということです。
何よりも安心感を求めているのであれば、ハウスメーカーがおすすめです。価格を抑えつつ自分の好きな家を建てたいと考えているのならば、工務店を探しましょう。
何を大切にしたいのかによって、ハウスメーカーが向いているのか、工務店が向いているのかが変わります。

それぞれのメリット・デメリットを比較しながら、何を重視して家づくりを進めていくか考えてみましょう。

新築一戸建てにはどんな費用がかかる?

家をたてるためのお金というと、どうしても住宅を建てるための金額ばかり考えてしまいます。しかし実際は、一戸建てを新築するのには建物以外にも様々な費用が発生します。
建物以外に必要な工事費や手続きのための費用といった諸費用を考えないまま予算を考えてしまうと、予想外の出費や住宅そのものにかけるお金を減らさなくてはならなくなるなどの問題が発生します。

しかし残念なことに、不動産の広告などでは建物の本体と土地そのものの費用のみを表示していることも多く、こういった諸費用について意識していない人は少なくありません。

予算や資金計画で失敗しないためには、建物価格や土地価格だけでなく、諸費用を含めた総費用を把握することが非常に重要です。今回は、見落としがちな新築住宅の諸費用について解説します。

◇本体工事費
建物そのものにかかる費用です。建築費や建物価格と呼ばれることもあります。
建築のための材料費や、工事費用が含まれています。

本体工事費には、以下のような工事が内訳として含まれています。
・基礎工事
・木工事
・外壁工事
・屋根工事
・左官工事

内訳は構法や会社によって異なり、まれに本体工事費に後述する付帯工事費や外構工事費を含めて考えている会社もあります。

本体工事費は家の内容やグレードによって大きく変わるため、これといった相場はありません。
一般的に、大手ハウスメーカーは住宅価格が高く、小規模の工務店は安い傾向にあります。しかし、大手ハウスメーカーでも価格を抑えてつくることは可能ですし、小規模でも高級志向の工務店はあります。
結局は、どんな家をつくるかという部分によります。

また、住宅価格は地域によっても差があるため、他の人の価格を参考にしにくいです。
しかし、自分の建てたい家のためにはどのぐらいのお金がかかるのか、相場はどの程度なのかというのは気になるところです。
そんな時に便利なのが、一括見積もりサービスの活用です。複数の会社に同条件で見積り依頼ができるため、価格の比較や相場の見極めがしやすくなります。

●坪単価と予算
不動産やハウスメーカーの広告でよく見かける「坪単価」ですが、これは本体工事費と面積から計算されています。諸費用は含まれておらず、単純に坪単価と面積をかけた金額で家を建てることはできません。
坪単価はあまりあてにならない指標であるため、予算や総費用を考える際の参考にしてはいけません。

◇付帯工事費
住宅を実際に住めるようにするには、建物だけではなく水道や電気などの工事が必要になります。付帯工事費はこうした建物以外に住宅に必要な工事を指します。

・解体工事費(100万円~)
建て替えの場合や、建築物が残っている土地を購入した場合、解体費用が必要になります。
解体費用は建物の構造や大きさによって異なります。
解体費用の比較的低い木造住宅でも、坪当たり3~5万円程度かかります。

・仮設水道工事、仮設電気工事、仮設トイレ工事(相場1~5万円)
工事のために必要な設備を整えるための費用です。工事終了後は撤去します。

・屋外給排水工事(相場40~100万円)
道路から敷地まで水道管を引くための工事です。
元々建物があった土地で、なおかつ水道管が老朽化していなければ工事の必要はありません。
しかし、道路からの引込管がないばあいはそのための工事が必要です。さらに最寄りの給排水管まで距離のある場合は工事費用もより高くなります。

・水道工事(相場10~20万円)
敷地内から建物まで水道管を引くための工事です。

・電気工事、ガス工事
費用は地域や条件によってまちまちです。業者によっても差があるため、高すぎると感じた場合は他の業者に依頼できないかどうか確認してみましょう。

・廃棄物処理費(1.5~3万円)
建築の際にでたごみを処分するための費用です。住宅の規模が大きくなればなるほど廃棄物も増えるため、費用もかさみます。

・エアコン工事費
費用はエアコンの種類や業者によって異なります。
建築会社に頼まず、自分で電気屋さんに依頼して設置してもらうこともできます。

今回挙げた相場はあくまでも目安ではありますが、建物以外の工事にもかなりの費用がかかるということは理解できたはずです。

◇外構工事費
外構工事費とは、庭や門、カーポートなど建物の外側の工事にかかる費用のことです。

外構工事に含まれるのは、以下のような設備の設置です。
・門
・カーポートやガレージ
・敷地内のコンクリート舗装、砂利敷き
・外付けのバルコニ、サンルーム
・塀、フェンス
・玄関までのアプローチ
・照明
・植栽、芝生

金額は設置する内容や数、グレードに左右されるため相場はありませんが、百万円以上かかることも珍しくありません。カーポートなど必要な物があれば、早めの段階で伝えてどの程度費用がかかるのかを把握できるようにしておきましょう。

◇その他の費用
今まで上げてきたもの以外にも、新築住宅には様々な費用が必要になります。そのうち代表的なものをいくつか紹介します。

●建築確認申請費(相場30~40万円)
住宅を建て始める前に、その建物が建築基準法を満たしているかどうかの確認が必要となります。
申請を行うと第三者による審査が行われ、問題がなければ確認済証が交付されます。

●金融機関手数料(相場3~5万円)
住宅ローンの手数料です。
基本的にはどの金融機・住宅ローンでも手数料が必要になりますが、中には手数料は0円で、かわりに保証料を高めに設定して設定している金融機関もあります。

●ローン保証料(相場は借入額の2~3%)
ローンを組む際には、連帯保証人を立てるか、保証会社に保証を受けるかのどちらかが必要になります。
基本的には連帯保証人を立てるケースは少なく、住宅ローンでは保証会社による保証が必須とされています。

保証料は契約時にまとめて払うか、ローンの金利に上乗せして払うかの2つの方法があります。
借入額は数千万円になるため、2~3%といってもかなり大きな金額になります。

●つなぎ融資の手数料
つなぎ融資とは、住宅ローンの融資実行までのつなぎとして融資を受けることです。

住宅ローンの融資は引き渡し後に行われるのが一般的ですが、新築購入時には工事の段階に応じた支払いや頭金など、住宅ローンの融資が実行されるより前にまとまった金額の支払いが必要になることがあります。
そうした支払いのためにつなぎ融資を利用する場合、そのための手数料が発生します。

住宅ローンでつなぎ融資は同じ金融機関で行う必要があり、金融機関によってはつなぎ融資の取り扱いがない場合もあるため、つなぎ融資の有無や手数料については事前に確認する必要があります。

●印紙代
契約書には契約代金に応じた印紙が必要になります。
注文住宅の場合、工事請負契約書や土地の契約書などがあげられます。

印紙代は契約金額が500万~1千万なら5千円、1千万から5千万なら1万円、5千万から1億円で3万円です。

印紙代には住宅ローンを充てることができず、現金の用意が必要になります。

●火災保険料
住宅ローンの利用をするには火災保険への加入が必須となります。

保険料は地域や家の構造、保証期間、補償内容によって異なりますが、2000万円の木造住宅保証期間が20年であれば25万円が最低ラインとなります。

●登記費用(相場30~50万円)
土地や建物の正式な所有者を公的に求めてもらうための費用です。
登記には専門知識が必要で、一般的には司法書士に登記を依頼します。費用のうち3分の2程度は司法書士の報酬です。
手間や専門知識が必要になりますが、自分で登記を行えば費用は18万円ほどで済みます。

新築住宅の場合、建物表題登記、所有権移転登記、所有権保存登記の3つが必要になります。住宅ローンを使用する場合は抵当権設定登記も必要です。

・建物表題登記
建物表題登記とは、建物の場所、家屋番号、構造、床面積、所有者等の情報を登録するものです。
建物表題登記は必ず行わなければならず、怠った場合過料として10万円が課されます。

・所有権移転登記
土地を購入した場合に必要となる登記です。
前の所有者から今の所有者に土地の持ち主が変わったということを登録します。

・所有権保存登記
土地や建物の所有者を明らかにするための登記です。

所有権保存登記は義務ではありませんが、この登記を行っていないと土地や建物の売却や相続が行なえません。
費用はかかりますが、必要になってから登記を行うのは大変なため、他の登記と同じタイミングで行うことを強くおすすめします。

・抵当権設定登記
住宅ローンを使う際に必要となる登記です。

住宅ローンでは万が一ローンの返済ができなくなった時のために、土地や建物を担保にします。
抵当権設定登記では、住宅ローンの支払いができなくなった時は、土地と建物の所有権が金融機関のものになるという登録を行います。

●引っ越し代
新しい家に転居をすることになるため、当然引っ越し費用が必要になります。

荷物が少なく、近距離の引っ越しであれば、自家用車やレンタカーを使用した自力引っ越しも可能です。
しかし、冷蔵庫や洗濯機などの大型家電を素人が運ぶのは大変なうえ、しっかりと養生をしなければ
せっかくの新しい家に傷をつけてしまう可能性もあります。

引っ越し料金は荷物の量と移動距離、季節や日程によって大きく変動します。近距離で荷物が少なければ数万円で済みますが、遠距離で荷物が多ければ数十万円必要になります。
引っ越しの日程が決まったら早めに業者に相談し、見積もりを出してもらうと良いでしょう。

また、引っ越し代金の支払いには現金が必要になることにも注意しましょう。

●家具や家電
新しい家に合わせて家具や家電を買い換える場合も多いでしょう。
家具や家電を全て新しく買い替えた場合、100万円前後必要になることもあります。

引っ越しに合わせて古いものを買い換えるか、それとも古いものを使い続けるのか、引っ越しの費用ともあわせてよく考えるようにしましょう。

◇建物以外にもお金がかかる
家を建てるには、建物以外にも色々な費用が発生します。しかも、数万円、数十万円の単位ではなく、建物や土地の代金の他に数百万円以上のお金がかかります。
万が一、これらの諸費用を考えずに予算を組んでしまったら大変なことになります。

家を買うための予算を組む際は、建物の値段だけでなく、他にどんな費用がかかるのかを正確に把握しなければなりません。
しかし、素人では全容を把握するのはなかなか難しいのが現状です。家づくりで失敗しないためには、専門に相談したり、意見を聞いたりしながら慎重に勧めていくことが重要になります。

家を建てるための予算の考え方と費用の内訳

家を建てる時に一番悩むのがお金についての問題です。

予算はどのくらいにすれば良いのか、ローンの返済はいくらぐらいにするのが良いのかなど、気になることがたくさんあります。
また、家を建てる時にお金がかかるのは、家をたてるための費用だけでなく、様々な手続きなどにもお金がかかります。どんな出費が発生するのか知らないまま家づくりをはじめる事はできません。

今回は、予算の考え方や、家づくりにどんな費用が必要となるのかを解説します。

◇予算を考える
●毎月の返済額から予算を決める
家づくりの費用について考える際にまず行うべきなのは、どのぐらいのお金をかけられるかを計算してみることです。
予算によって家の大きさやグレード、設備なども決まります。また、依頼先を探す上でも予算を決めておくことが重要になります。

予算を決める際、総額3000万円、のように全体の金額から考える場合もありますが、おすすめなのは月の住宅ローン返済額から予算を決める方法です。
総額で考えるとどうしてもどんぶり勘定になりがちですが、一ヶ月ごとの支出で考えれば、より具体的に負担を考えられるようになります。
月の収入と生活費を書き出し、どのぐらい毎月ローンの返済に充てることができるのかを考えてみましょう。

新しいマイホームでの生活に、劇的な変化を想像している人は少なくありませんが、仕事を変えなければ収入は変わりませんし、生活レベルが変わらなければ生活費もそれほど変わらないはずです。
今の収入でも十分返済可能な金額を想定することが重要です。

家を買うとなるとどうして浮かれてしまいがちですが、無理のない範囲でローンを組むことが非常に大切です。せっかく家を建てたのに、ローンの返済に追われて生活が苦しいのでは、生活が豊かになるどころではありません。
また、賃貸とは違い、持ち家は住宅の監理を自分で行う必要があります。維持費や税金、万が一のトラブルのことなどを考えると、予算には余裕を持っておくべきでしょう。

具体的な金額を設定する上で、目安になるのが家賃です。
家賃を払った上で、まだ生活に余裕があるようなら、今の家賃よりも返済額が多くても問題ないでしょう。反対に、家賃を負担に感じているようであれば、返済額はそれよりも低く想定するべきです。

●月の返済額から総額を計算する
予算を考える際は毎月のローンの返済額から考えた方が良いのですが、どんな家にするか考えるのにはやはり総額から考える必要があります。

月の返済額から総額を逆算できるシミュレータはいくつかありますが、今回は住宅保証機構の「住宅ローンシミュレーション」を使ってみることにします。

https://www.hownes.com/loan/sim/

計算は「借入可能額の試算」の「返済額より計算する」からできます。

シミュレーションの際は、「返済方法」「返済期間」「当初金利」「年収」の入力が必須です。
例えば、年収が450万円で月の返済額は9万円、「返済方法」は元利均等、返済期間35年、当初金利1.120%で計算してみましょう。すると、借入可能額は3125万円だと分かります。
金利は、長期固定金利の住宅ローンであるフラット35のものを参考にしています。フラット35は長期固定金利の住宅ローンの中でも利用者や取り扱い金融機関の多い住宅ローンです。

●返済負担率にも注目
住宅ローンシミュレーションを使うと、借入可能額の他に「返済負担率」というものを表示されます。

返済負担率とは、収入のうちローンの返済額がどの程度を占めているかを示すものです。
他の借り入れや信用情報の問題がない限り、住宅ローンの審査結果はこの返済額によって左右されることがほとんどです。

フラット35では、年収300万円未満なら返済負担率25%以下、300万円以上400万円未満は30%以下、400万円以上700万円未満は35%以下、700万円以上は40%以下が基準となっています。

◇家を建てるのにかかる費用
さて、予算を決めたら次は家をたてるのにどんな費用が必要となるのかを確認していきましょう。

家を買う時に必要なのは、住宅本体にかかるお金だけではありません。
その他にどんな費用がかかるのかを把握しておかなければ、せっかく予算を考えたにも関わらず、予想外の出費に悩まされることになってしまいます。

●自己資金
自己資金は頭金とも呼ばれることもあります。
家づくりにかかわる総費用のうち、住宅ローンを使用せず、現金で用意する金額です。
例えば、2500万円の住宅を購入する際、自己資金が300万円あるなら、住宅ローンの借入額は残りの2200万円になります。

最近では、頭金ゼロを謳う広告も多くなっていますが、基本的にはある程度の自己資金のある方が良いです。
家の総額のうち、どのぐらいを住宅ローンが占めているかを表した数字を融資率といいます。この融資率が9割以下だと金利が下がる住宅ローンが多いため、お得に住宅ローンを借りたいのであれば融資率が下がるように自己資金を確保する必要があります。
また、融資率は低いほうが返済のリスクも低く、病気や失業などで返済が困難になる可能性を考えると、借入額が少ないに越したことはありません。
最低でも1割、できれば2~3割の自己資金を用意するのが良いでしょう。

しかし、自己資金が用意できないからといって、すぐに諦めてしまうべきではありません。
フラット35の利用者のうち、10%程度が自己資金100万円未満というデータもあります。

無理のない予算と返済計画さえ立てることができれば、自己資金がなくとも家を建てられます。

●建築本体費用
住宅そのものを建てるのにかかる費用です。
建築費や本体費用などと呼ばれることもあります。

そして厄介なことに、呼び方が色々あるだけでなく、会社によって建築本体費用の内訳が異なります。

住宅をつくるときには、家そのもの建てる工事以外にも、それに付随した様々な工事が必要となります。
例えば、電気や水道の工事、門扉や塀などの外構工事、廃棄物の処理などです。
こうした費用は、付帯工事費や別途工事費などとして建築本体費用と別にされることもあれば、まとめて建築費用とされることもあります。
見積もりを見る際は、何が建築本体費用に含まれ、何が含まれていないかをしっかり確認する必要があります。

また、坪単価を見る際も同様の注意が必要になります。
坪単価は総費用ではなく、建築本体費用と面積から計算されるのが一般的です。建築本体費用の内訳は会社によってまちまちであるため、同じ会社内で坪単価を比較する事はできますが、別の会社の坪単価を単純に値段で比較する事はできません。

●諸経費
工事費用の他にも、家を買う際には手続きや保険などの費用が発生します。そうした諸々の費用をまとめて諸経費と呼びます。

諸経費に含まれる費用としては、地鎮祭費用、ローン手数料、確認申請費、登記費用、火災保険料などがあげられます。諸経費はおおよそ150万円から200万円程度ですが、中には付帯工事費を諸経費に含む会社もあり、その場合はかなりの諸経費がかかることになります。

諸経費とはいえまとまった金額になるため、予算を考える際はこれらについても考慮に入れておきましょう。

●土地購入にまつわる費用
土地の購入が必要な場合は、土地の購入代金や手続きの費用についても考えなくてはいけません。

土地を買う際は、土地代金だけでなく、土地の頭金、仲介手数料、所有権移転登記費用、印紙代などが必要になります。つなぎ融資が必要になる場合は、そのための手数料も要ります。

●家を建ててからもお金はかかる
家が完成したらそこで終わりではありません。住宅の完成後にも色々な出費があります。

不動産取得税や引っ越し費用、家具や家電の購入費用、毎月の保険料や住宅ローンの支払などです。また、賃貸とは異なり、修繕や維持に関わる費用も自分で払う必要があります。

これらの費用は現金で払わなくてはならないものがほとんどです。そのためにも、毎月の住宅ローンの支払額はある程度余裕を持てるような想定である必要があります。

◇家を建てるための予算と費用について
さて、家づくりのための予算の考え方と、どんな費用がかかるのかについてざっと確認しました。

大切なのは、無理のない返済ができるように予算を決めることと、どんな費用が発生するのか把握し、家そのものにどれだけお金をかけられるのかを知ることです。

予算や費用の内訳をはっきりを決めないまま家づくりをはじめてしまうと、満足できる家にならないだけでなく、その後のローンの返済で生活にも大きな影響がでてしまう可能性もあります。

満足できる家を建て、マイホームでの生活を豊かにするためにも、しっかりとした資金計画が大切です。

住宅設備を好きなものにしたかったので注文住宅で!

注文住宅でマイホームを建てていますので、もちろん他人にオススメしたいのは、注文住宅です。今の住宅に満足しているからこそ、注文住宅をオススメしたいということもあります。

とくに住宅設備の問題で私は注文住宅を推したいのです。だって注文住宅で家を建てる場合、「自分の好きな住宅設備をいれられるから」です。ハウスメーカーも検討したのですけれど、でも選べる住宅設備がイマイチだったので、結局やめてしまったのですよね。

ストレートに言ってしまえば、ハウスメーカーが提案している一戸建て住宅の値段のわりには、入っている住宅設備が最低限といいましょうか。「もっといいスペックのものを入れてよ」と思ってしまうものだったのです。

建売住宅に関しては言う必要すらないもので…。まあその分、家と土地を含めての販売価格は魅力を感じるものなのですけれど。でも、私的には「住宅設備をもっといいものにして欲しい!」と思ったのです。

住宅設備の快適さが生活の快適さを決めると思いましたので、そこだけは譲れなくって。それに低価格の住宅設備をいれますと、劣化が早いとも聞きました。汚れるまでの期間が短いというか、汚れやすいというか。

ですからアルファベット表記の会社名の住宅設備メーカーの製品は、値段が高めなのですけれど、「その分汚れにくく壊れにくくとても持ちがいい」と評判ですからね。そして実際に築10年以上が経過した家では、わかりやすいぐらいに違いが出ているということが、家を見学させてもらいますとわかりましたので。

機能が高機能でなくてもいいとは思うのですが、品質は良いものであって欲しいと思うわけです。黄色くきばんでいくような設備はいやだなーと思ってしまいますので。

逆に言えば、住宅設備以外の部分に関しては、とくにこだわりはなかったのです。土間がタイル張りでなくても、メインフロアではない部屋の壁がログハウスっぽい資材感のある壁であっても、住宅設備の方にはお金をかけたかったものですから。しかしまあ満足していますのでこれでOKだと思っています。