家を建てるための予算の考え方と費用の内訳

家を建てる時に一番悩むのがお金についての問題です。

予算はどのくらいにすれば良いのか、ローンの返済はいくらぐらいにするのが良いのかなど、気になることがたくさんあります。
また、家を建てる時にお金がかかるのは、家をたてるための費用だけでなく、様々な手続きなどにもお金がかかります。どんな出費が発生するのか知らないまま家づくりをはじめる事はできません。

今回は、予算の考え方や、家づくりにどんな費用が必要となるのかを解説します。

◇予算を考える
●毎月の返済額から予算を決める
家づくりの費用について考える際にまず行うべきなのは、どのぐらいのお金をかけられるかを計算してみることです。
予算によって家の大きさやグレード、設備なども決まります。また、依頼先を探す上でも予算を決めておくことが重要になります。

予算を決める際、総額3000万円、のように全体の金額から考える場合もありますが、おすすめなのは月の住宅ローン返済額から予算を決める方法です。
総額で考えるとどうしてもどんぶり勘定になりがちですが、一ヶ月ごとの支出で考えれば、より具体的に負担を考えられるようになります。
月の収入と生活費を書き出し、どのぐらい毎月ローンの返済に充てることができるのかを考えてみましょう。

新しいマイホームでの生活に、劇的な変化を想像している人は少なくありませんが、仕事を変えなければ収入は変わりませんし、生活レベルが変わらなければ生活費もそれほど変わらないはずです。
今の収入でも十分返済可能な金額を想定することが重要です。

家を買うとなるとどうして浮かれてしまいがちですが、無理のない範囲でローンを組むことが非常に大切です。せっかく家を建てたのに、ローンの返済に追われて生活が苦しいのでは、生活が豊かになるどころではありません。
また、賃貸とは違い、持ち家は住宅の監理を自分で行う必要があります。維持費や税金、万が一のトラブルのことなどを考えると、予算には余裕を持っておくべきでしょう。

具体的な金額を設定する上で、目安になるのが家賃です。
家賃を払った上で、まだ生活に余裕があるようなら、今の家賃よりも返済額が多くても問題ないでしょう。反対に、家賃を負担に感じているようであれば、返済額はそれよりも低く想定するべきです。

●月の返済額から総額を計算する
予算を考える際は毎月のローンの返済額から考えた方が良いのですが、どんな家にするか考えるのにはやはり総額から考える必要があります。

月の返済額から総額を逆算できるシミュレータはいくつかありますが、今回は住宅保証機構の「住宅ローンシミュレーション」を使ってみることにします。

https://www.hownes.com/loan/sim/

計算は「借入可能額の試算」の「返済額より計算する」からできます。

シミュレーションの際は、「返済方法」「返済期間」「当初金利」「年収」の入力が必須です。
例えば、年収が450万円で月の返済額は9万円、「返済方法」は元利均等、返済期間35年、当初金利1.120%で計算してみましょう。すると、借入可能額は3125万円だと分かります。
金利は、長期固定金利の住宅ローンであるフラット35のものを参考にしています。フラット35は長期固定金利の住宅ローンの中でも利用者や取り扱い金融機関の多い住宅ローンです。

●返済負担率にも注目
住宅ローンシミュレーションを使うと、借入可能額の他に「返済負担率」というものを表示されます。

返済負担率とは、収入のうちローンの返済額がどの程度を占めているかを示すものです。
他の借り入れや信用情報の問題がない限り、住宅ローンの審査結果はこの返済額によって左右されることがほとんどです。

フラット35では、年収300万円未満なら返済負担率25%以下、300万円以上400万円未満は30%以下、400万円以上700万円未満は35%以下、700万円以上は40%以下が基準となっています。

◇家を建てるのにかかる費用
さて、予算を決めたら次は家をたてるのにどんな費用が必要となるのかを確認していきましょう。

家を買う時に必要なのは、住宅本体にかかるお金だけではありません。
その他にどんな費用がかかるのかを把握しておかなければ、せっかく予算を考えたにも関わらず、予想外の出費に悩まされることになってしまいます。

●自己資金
自己資金は頭金とも呼ばれることもあります。
家づくりにかかわる総費用のうち、住宅ローンを使用せず、現金で用意する金額です。
例えば、2500万円の住宅を購入する際、自己資金が300万円あるなら、住宅ローンの借入額は残りの2200万円になります。

最近では、頭金ゼロを謳う広告も多くなっていますが、基本的にはある程度の自己資金のある方が良いです。
家の総額のうち、どのぐらいを住宅ローンが占めているかを表した数字を融資率といいます。この融資率が9割以下だと金利が下がる住宅ローンが多いため、お得に住宅ローンを借りたいのであれば融資率が下がるように自己資金を確保する必要があります。
また、融資率は低いほうが返済のリスクも低く、病気や失業などで返済が困難になる可能性を考えると、借入額が少ないに越したことはありません。
最低でも1割、できれば2~3割の自己資金を用意するのが良いでしょう。

しかし、自己資金が用意できないからといって、すぐに諦めてしまうべきではありません。
フラット35の利用者のうち、10%程度が自己資金100万円未満というデータもあります。

無理のない予算と返済計画さえ立てることができれば、自己資金がなくとも家を建てられます。

●建築本体費用
住宅そのものを建てるのにかかる費用です。
建築費や本体費用などと呼ばれることもあります。

そして厄介なことに、呼び方が色々あるだけでなく、会社によって建築本体費用の内訳が異なります。

住宅をつくるときには、家そのもの建てる工事以外にも、それに付随した様々な工事が必要となります。
例えば、電気や水道の工事、門扉や塀などの外構工事、廃棄物の処理などです。
こうした費用は、付帯工事費や別途工事費などとして建築本体費用と別にされることもあれば、まとめて建築費用とされることもあります。
見積もりを見る際は、何が建築本体費用に含まれ、何が含まれていないかをしっかり確認する必要があります。

また、坪単価を見る際も同様の注意が必要になります。
坪単価は総費用ではなく、建築本体費用と面積から計算されるのが一般的です。建築本体費用の内訳は会社によってまちまちであるため、同じ会社内で坪単価を比較する事はできますが、別の会社の坪単価を単純に値段で比較する事はできません。

●諸経費
工事費用の他にも、家を買う際には手続きや保険などの費用が発生します。そうした諸々の費用をまとめて諸経費と呼びます。

諸経費に含まれる費用としては、地鎮祭費用、ローン手数料、確認申請費、登記費用、火災保険料などがあげられます。諸経費はおおよそ150万円から200万円程度ですが、中には付帯工事費を諸経費に含む会社もあり、その場合はかなりの諸経費がかかることになります。

諸経費とはいえまとまった金額になるため、予算を考える際はこれらについても考慮に入れておきましょう。

●土地購入にまつわる費用
土地の購入が必要な場合は、土地の購入代金や手続きの費用についても考えなくてはいけません。

土地を買う際は、土地代金だけでなく、土地の頭金、仲介手数料、所有権移転登記費用、印紙代などが必要になります。つなぎ融資が必要になる場合は、そのための手数料も要ります。

●家を建ててからもお金はかかる
家が完成したらそこで終わりではありません。住宅の完成後にも色々な出費があります。

不動産取得税や引っ越し費用、家具や家電の購入費用、毎月の保険料や住宅ローンの支払などです。また、賃貸とは異なり、修繕や維持に関わる費用も自分で払う必要があります。

これらの費用は現金で払わなくてはならないものがほとんどです。そのためにも、毎月の住宅ローンの支払額はある程度余裕を持てるような想定である必要があります。

◇家を建てるための予算と費用について
さて、家づくりのための予算の考え方と、どんな費用がかかるのかについてざっと確認しました。

大切なのは、無理のない返済ができるように予算を決めることと、どんな費用が発生するのか把握し、家そのものにどれだけお金をかけられるのかを知ることです。

予算や費用の内訳をはっきりを決めないまま家づくりをはじめてしまうと、満足できる家にならないだけでなく、その後のローンの返済で生活にも大きな影響がでてしまう可能性もあります。

満足できる家を建て、マイホームでの生活を豊かにするためにも、しっかりとした資金計画が大切です。