新築一戸建てにはどんな費用がかかる?

家をたてるためのお金というと、どうしても住宅を建てるための金額ばかり考えてしまいます。しかし実際は、一戸建てを新築するのには建物以外にも様々な費用が発生します。
建物以外に必要な工事費や手続きのための費用といった諸費用を考えないまま予算を考えてしまうと、予想外の出費や住宅そのものにかけるお金を減らさなくてはならなくなるなどの問題が発生します。

しかし残念なことに、不動産の広告などでは建物の本体と土地そのものの費用のみを表示していることも多く、こういった諸費用について意識していない人は少なくありません。

予算や資金計画で失敗しないためには、建物価格や土地価格だけでなく、諸費用を含めた総費用を把握することが非常に重要です。今回は、見落としがちな新築住宅の諸費用について解説します。

◇本体工事費
建物そのものにかかる費用です。建築費や建物価格と呼ばれることもあります。
建築のための材料費や、工事費用が含まれています。

本体工事費には、以下のような工事が内訳として含まれています。
・基礎工事
・木工事
・外壁工事
・屋根工事
・左官工事

内訳は構法や会社によって異なり、まれに本体工事費に後述する付帯工事費や外構工事費を含めて考えている会社もあります。

本体工事費は家の内容やグレードによって大きく変わるため、これといった相場はありません。
一般的に、大手ハウスメーカーは住宅価格が高く、小規模の工務店は安い傾向にあります。しかし、大手ハウスメーカーでも価格を抑えてつくることは可能ですし、小規模でも高級志向の工務店はあります。
結局は、どんな家をつくるかという部分によります。

また、住宅価格は地域によっても差があるため、他の人の価格を参考にしにくいです。
しかし、自分の建てたい家のためにはどのぐらいのお金がかかるのか、相場はどの程度なのかというのは気になるところです。
そんな時に便利なのが、一括見積もりサービスの活用です。複数の会社に同条件で見積り依頼ができるため、価格の比較や相場の見極めがしやすくなります。

●坪単価と予算
不動産やハウスメーカーの広告でよく見かける「坪単価」ですが、これは本体工事費と面積から計算されています。諸費用は含まれておらず、単純に坪単価と面積をかけた金額で家を建てることはできません。
坪単価はあまりあてにならない指標であるため、予算や総費用を考える際の参考にしてはいけません。

◇付帯工事費
住宅を実際に住めるようにするには、建物だけではなく水道や電気などの工事が必要になります。付帯工事費はこうした建物以外に住宅に必要な工事を指します。

・解体工事費(100万円~)
建て替えの場合や、建築物が残っている土地を購入した場合、解体費用が必要になります。
解体費用は建物の構造や大きさによって異なります。
解体費用の比較的低い木造住宅でも、坪当たり3~5万円程度かかります。

・仮設水道工事、仮設電気工事、仮設トイレ工事(相場1~5万円)
工事のために必要な設備を整えるための費用です。工事終了後は撤去します。

・屋外給排水工事(相場40~100万円)
道路から敷地まで水道管を引くための工事です。
元々建物があった土地で、なおかつ水道管が老朽化していなければ工事の必要はありません。
しかし、道路からの引込管がないばあいはそのための工事が必要です。さらに最寄りの給排水管まで距離のある場合は工事費用もより高くなります。

・水道工事(相場10~20万円)
敷地内から建物まで水道管を引くための工事です。

・電気工事、ガス工事
費用は地域や条件によってまちまちです。業者によっても差があるため、高すぎると感じた場合は他の業者に依頼できないかどうか確認してみましょう。

・廃棄物処理費(1.5~3万円)
建築の際にでたごみを処分するための費用です。住宅の規模が大きくなればなるほど廃棄物も増えるため、費用もかさみます。

・エアコン工事費
費用はエアコンの種類や業者によって異なります。
建築会社に頼まず、自分で電気屋さんに依頼して設置してもらうこともできます。

今回挙げた相場はあくまでも目安ではありますが、建物以外の工事にもかなりの費用がかかるということは理解できたはずです。

◇外構工事費
外構工事費とは、庭や門、カーポートなど建物の外側の工事にかかる費用のことです。

外構工事に含まれるのは、以下のような設備の設置です。
・門
・カーポートやガレージ
・敷地内のコンクリート舗装、砂利敷き
・外付けのバルコニ、サンルーム
・塀、フェンス
・玄関までのアプローチ
・照明
・植栽、芝生

金額は設置する内容や数、グレードに左右されるため相場はありませんが、百万円以上かかることも珍しくありません。カーポートなど必要な物があれば、早めの段階で伝えてどの程度費用がかかるのかを把握できるようにしておきましょう。

◇その他の費用
今まで上げてきたもの以外にも、新築住宅には様々な費用が必要になります。そのうち代表的なものをいくつか紹介します。

●建築確認申請費(相場30~40万円)
住宅を建て始める前に、その建物が建築基準法を満たしているかどうかの確認が必要となります。
申請を行うと第三者による審査が行われ、問題がなければ確認済証が交付されます。

●金融機関手数料(相場3~5万円)
住宅ローンの手数料です。
基本的にはどの金融機・住宅ローンでも手数料が必要になりますが、中には手数料は0円で、かわりに保証料を高めに設定して設定している金融機関もあります。

●ローン保証料(相場は借入額の2~3%)
ローンを組む際には、連帯保証人を立てるか、保証会社に保証を受けるかのどちらかが必要になります。
基本的には連帯保証人を立てるケースは少なく、住宅ローンでは保証会社による保証が必須とされています。

保証料は契約時にまとめて払うか、ローンの金利に上乗せして払うかの2つの方法があります。
借入額は数千万円になるため、2~3%といってもかなり大きな金額になります。

●つなぎ融資の手数料
つなぎ融資とは、住宅ローンの融資実行までのつなぎとして融資を受けることです。

住宅ローンの融資は引き渡し後に行われるのが一般的ですが、新築購入時には工事の段階に応じた支払いや頭金など、住宅ローンの融資が実行されるより前にまとまった金額の支払いが必要になることがあります。
そうした支払いのためにつなぎ融資を利用する場合、そのための手数料が発生します。

住宅ローンでつなぎ融資は同じ金融機関で行う必要があり、金融機関によってはつなぎ融資の取り扱いがない場合もあるため、つなぎ融資の有無や手数料については事前に確認する必要があります。

●印紙代
契約書には契約代金に応じた印紙が必要になります。
注文住宅の場合、工事請負契約書や土地の契約書などがあげられます。

印紙代は契約金額が500万~1千万なら5千円、1千万から5千万なら1万円、5千万から1億円で3万円です。

印紙代には住宅ローンを充てることができず、現金の用意が必要になります。

●火災保険料
住宅ローンの利用をするには火災保険への加入が必須となります。

保険料は地域や家の構造、保証期間、補償内容によって異なりますが、2000万円の木造住宅保証期間が20年であれば25万円が最低ラインとなります。

●登記費用(相場30~50万円)
土地や建物の正式な所有者を公的に求めてもらうための費用です。
登記には専門知識が必要で、一般的には司法書士に登記を依頼します。費用のうち3分の2程度は司法書士の報酬です。
手間や専門知識が必要になりますが、自分で登記を行えば費用は18万円ほどで済みます。

新築住宅の場合、建物表題登記、所有権移転登記、所有権保存登記の3つが必要になります。住宅ローンを使用する場合は抵当権設定登記も必要です。

・建物表題登記
建物表題登記とは、建物の場所、家屋番号、構造、床面積、所有者等の情報を登録するものです。
建物表題登記は必ず行わなければならず、怠った場合過料として10万円が課されます。

・所有権移転登記
土地を購入した場合に必要となる登記です。
前の所有者から今の所有者に土地の持ち主が変わったということを登録します。

・所有権保存登記
土地や建物の所有者を明らかにするための登記です。

所有権保存登記は義務ではありませんが、この登記を行っていないと土地や建物の売却や相続が行なえません。
費用はかかりますが、必要になってから登記を行うのは大変なため、他の登記と同じタイミングで行うことを強くおすすめします。

・抵当権設定登記
住宅ローンを使う際に必要となる登記です。

住宅ローンでは万が一ローンの返済ができなくなった時のために、土地や建物を担保にします。
抵当権設定登記では、住宅ローンの支払いができなくなった時は、土地と建物の所有権が金融機関のものになるという登録を行います。

●引っ越し代
新しい家に転居をすることになるため、当然引っ越し費用が必要になります。

荷物が少なく、近距離の引っ越しであれば、自家用車やレンタカーを使用した自力引っ越しも可能です。
しかし、冷蔵庫や洗濯機などの大型家電を素人が運ぶのは大変なうえ、しっかりと養生をしなければ
せっかくの新しい家に傷をつけてしまう可能性もあります。

引っ越し料金は荷物の量と移動距離、季節や日程によって大きく変動します。近距離で荷物が少なければ数万円で済みますが、遠距離で荷物が多ければ数十万円必要になります。
引っ越しの日程が決まったら早めに業者に相談し、見積もりを出してもらうと良いでしょう。

また、引っ越し代金の支払いには現金が必要になることにも注意しましょう。

●家具や家電
新しい家に合わせて家具や家電を買い換える場合も多いでしょう。
家具や家電を全て新しく買い替えた場合、100万円前後必要になることもあります。

引っ越しに合わせて古いものを買い換えるか、それとも古いものを使い続けるのか、引っ越しの費用ともあわせてよく考えるようにしましょう。

◇建物以外にもお金がかかる
家を建てるには、建物以外にも色々な費用が発生します。しかも、数万円、数十万円の単位ではなく、建物や土地の代金の他に数百万円以上のお金がかかります。
万が一、これらの諸費用を考えずに予算を組んでしまったら大変なことになります。

家を買うための予算を組む際は、建物の値段だけでなく、他にどんな費用がかかるのかを正確に把握しなければなりません。
しかし、素人では全容を把握するのはなかなか難しいのが現状です。家づくりで失敗しないためには、専門に相談したり、意見を聞いたりしながら慎重に勧めていくことが重要になります。